展覧会~内藤礼 生まれておいで 生きておいで
2024.09.02
台風の合間に東京国立博物館で開催中の「内藤礼 生まれておいで 生きておいで」展に行きました。
内藤礼さんは瀬戸内海を望む豊島に建つ豊島美術館の作品などでも有名な、国際的美術家の方です。
1938(昭和13)年に開館し、重要文化財にも指定されている東京国立博物館本館のクラシックな様式を生かしながら、光を効果的に用いて建築と美術を融合させた新しい美の空間がそこにありました。
本館特別5室は普段は窓を閉め切って暗くして仏像等を展示しているそうなのですが、今回は特別に何十年ぶりかで雨戸を開けて光を取り入れ、床の絨毯や壁材も取り払って建築時の元の姿で展示を行っています。
展示物を納める透明な箱に移る窓の景色がきれいで、何十分でもその場所にいられそうな気持ちになりました。
ガウディの建築物やパリ・オペラ座のガルニエ宮を見たときにも感じたように、むかしは建築と美術は同じ人が手掛けていたのだ、それは自然なことだ、と今回の展示を見て改めて思いました。
平成館企画展示室ではフェルトの玉のようなものがたくさん天井から吊るされています。横長の部屋の端から反対の端の方向を見通すと、色とりどりの玉が絶妙な配置で存在しています。内藤礼さんはミリ単位でこのフェルトの玉の配置を考えたそうです。デザインとは物の配置の妙。そこに作った人のセンスが如実に表れます。
なお本展示は予約が必要となっていますのでお気をつけて。
銀座メゾンエルメス フォーラムでも連携展示が開催されます。